「ホームページを作れば集客が増えるはずだったのに、全く問い合わせが来ない」
「予算を大幅にオーバーしてしまった」
多額の費用と時間を投じて制作したにもかかわらず、こうした「失敗」を経験する企業は後を絶ちません。
実際、2025年に発表された最新の調査(アルサーガパートナーズ株式会社調べ)によると、ホームページ制作を外注した企業の約9割(87.7%)が何らかの失敗を経験しているという衝撃的なデータも出ています。(参考:【ホームページ制作の実態調査】約9割が失敗経験あり!PR TIMES)
この記事では、多くの企業が陥りやすいホームページ制作の失敗事例を詳しく分析し、成功させるための具体的なチェックポイントや会社選びのコツを解説します。
- ホームページ制作でよくある5つの失敗パターンとその原因
- 発注前に必ず確認すべき見積書や契約のチェックポイント
- 自社に最適な制作会社を見極めるための3つの判断基準
- 成果を出し続けるための、制作後の運用・改善の進め方
ホームページ制作で失敗しやすい5つのケースとは?

ホームページ制作の失敗は、単に「デザインが好みではなかった」といった話にとどまりません。
実際には、「公開したのにほとんどアクセスが集まらない」「想定していなかった追加費用が重なり、結果的に予算を大きく超えてしまった」など、ビジネスに直接影響する問題として表面化するケースがほとんどです。
アルサーガパートナーズの調査でも、制作を外注した企業の約9割が「何らかの失敗を感じた」と回答しています。
その内容も、コスト面の不満だけでなく、やり取りのしづらさや認識のズレなど、コミュニケーションに関するものまで幅広く挙げられています。
そこでここからは、実際によく見られるケースをもとに、多くの企業が陥りやすい代表的な5つの失敗事例について、ひとつずつ掘り下げていきます。
事例①|安さ重視で依頼し、集客できないサイトに
初期費用を抑えたいと思い、「格安制作」を売りにする会社へ依頼したものの、思ったように集客につながらなかった、という声は意外と多く聞かれます。
こうした格安プランでは、用意されたテンプレートに文章や画像を当てはめるだけで制作が進むケースも少なくありません。
その分、制作側も工数を最小限に抑える必要があり、ターゲットに合わせたキーワード選定や、競合を踏まえたコンテンツ設計まで手が回らないことが多いのが実情です。
その結果、社名で検索すれば表示されるものの、サービス名や悩み系のキーワードではほとんど見つからず、月のアクセス数が数人程度にとどまってしまうホームページになってしまうリスクもあります。
事例②|知人・格安フリーランスへの丸投げで制作遅延・品質低下
「知人の紹介だから安心」「フリーランスなら安く済む」そんな理由で依頼した結果、思わぬトラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
フリーランスの方の中には、制作スキルは高くても、プロジェクト全体を管理する立場に慣れていない場合もあります。
そのため、制作が進むにつれて連絡が取りづらくなったり、当初の予定より納期が大きくずれ込んだりすることも起こりがちです。
また、知人に依頼しているからこそ、「ここはもっと直してほしい」といった踏み込んだ修正を伝えづらかったり、要望をはっきり言えないまま制作が進んでしまったりすることもあります。
その結果、どこか納得しきれない仕上がりで納品され、後からモヤモヤが残ってしまうケースも少なくありません。
さらに、個人で活動している場合、組織としてのバックアップ体制が整っていないことも多く、体調不良や予期せぬトラブルが起きると作業が止まってしまうリスクがあります。
一度進行が止まってしまうと、そのままプロジェクト自体が立ち行かなくなる可能性も考えられます。
事例③|デザインを優先しすぎて成果につながらない
「せっかく作るなら、かっこいいサイトにしたい」その気持ちが先行しすぎて、見た目ばかりを重視した結果、使いにくくなってしまうケースもよくあります。
たとえば、文字が小さくて内容が読みづらかったり、演出にこだわりすぎてアニメーションが多くなり、ページの表示に時間がかかってしまったり。
さらに、問い合わせボタンがどこにあるのか分かりにくく、「結局どう行動すればいいのか」が伝わらないサイトになってしまうこともあります。
こうしたデザイン偏重のホームページは、ユーザーが途中で離脱しやすく、結果的に成果につながりません。
株式会社全日本SEO協会の分析でも、表示速度の遅さや操作性の悪さは、コンバージョン率(成約率)を大きく下げる要因として指摘されています。(参考:サイトのコンバージョン率が低い12の原因と改善策)
事例④|目的が曖昧なまま進めてしまい、運用が回らなくなる
「今のサイトが古くなってきたから、そろそろ作り直したい」
このような理由だけで制作をスタートしてしまうと、途中で方向性が定まらず、仕様変更を繰り返すうちにプロジェクトが迷走してしまいがちです。
目的がはっきりしていないと、どのページに何を載せるべきか、優先順位をつけることができません。
その結果、公開後の運用についても、「誰が更新を担当するのか」「どれくらいの頻度で手を入れるのか」「どの数値を指標にするのか」といった点が決まらないまま、形だけのホームページが完成してしまうことがあります。
また、制作会社との間で「どこまでを制作範囲とするのか」という要件が十分に整理されていないと、納品が近づいた段階で「この機能も必要だった」と気づき、追加費用が発生するケースも少なくありません。
こうした積み重ねが、最終的なコストが想定以上に膨らんでしまう原因になることもあります。
事例⑤|やり取り不足で「思っていたのと違う」仕上がりに
ホームページ制作で特に多いのが、発注側と制作側のあいだに生まれる「認識のズレ」です。
制作会社から進め方の説明を受けていても、専門的な言葉が多く、実はよく分からないまま「大丈夫そうだから」と承認してしまう。
そうして進んだ結果、完成してから初めて「イメージしていたものと違う」と気づくケースは珍しくありません。
最近のトラブル事例を見ても、定例の打ち合わせがほとんど行われなかったり、チャットでの断片的なやり取りだけで進行してしまったりすることで、サイト全体の方向性が共有されないまま制作が進む傾向が見られます。
細かい修正ばかりが続き、肝心のコンセプトが定まらず、結果的に迷走してしまうのです。
こうした事態を防ぐためには、制作を任せきりにせず、節目ごとに進捗や方向性を確認する場を設けることが欠かせません。
定期的に立ち止まり、「今どこまで進んでいて、何を目指しているのか」をすり合わせることが、満足のいく仕上がりにつながります。
ホームページ制作発注前に確認したい3つのチェックポイント

ホームページ制作で失敗を防ぐために重要なのは、契約や発注をしたあとではなく、実はその前段階です。
スタート前に不明点をどれだけ整理できているかで、結果は大きく変わってきます。
制作会社とのトラブルでよく聞かれるのが、「そこまで対応してもらえると思っていた」「それが別料金だとは知らなかった」といった、認識のズレによるものです。
こうした行き違いは、制作が進んでから発覚するほど修正が難しくなり、余計な時間やコストがかかってしまいます。
そこでここからは、契約書にサインする前に必ず確認しておきたい、3つのチェックポイントを紹介していきます。
ポイント①|見積書の項目と費用の内訳を細かく確認する
見積書に「制作費一式」とだけ書かれている場合は、少し注意が必要です。
内訳が分からないままだと、どこにどれくらいの費用がかかっているのか判断できず、他社との比較もしにくくなってしまいます。
内容が整理された見積書では、通常、作業内容ごとに項目が分けて記載されています。
たとえば、進行管理や要件整理にかかるディレクション費、トップページや下層ページを制作するためのデザイン費、HTMLやCSSの実装、WordPressなどのCMS構築を含むコーディング・実装費などです。
さらに、原稿作成や写真撮影を依頼する場合は、コンテンツ制作費として分けて記載されることもあります。
こうした内訳が明示されていれば、どの工程にコストがかかっているのかが把握しやすく、金額が内容に見合っているかどうかも判断しやすくなります。
もし見積書に「一式」としか書かれていない場合は、そのまま進めてしまうのではなく、作業内容や単価、対応範囲を記した明細を出してもらえないか、一度確認してみましょう。
事前に確認しておくことで、後からの追加費用や認識のズレを防ぎやすくなります。
ポイント②|納期や対応範囲、サポート体制を事前にすり合わせる
制作を始める前に、「どこまでを制作会社が担当し、どこからを自社で対応するのか」という線引きを明確にしておくことが重要です。
ここが曖昧なまま進むと、後になって「それは対応外です」と言われてしまい、想定していなかった手間やコストが発生する原因になりがちです。
中でも見落とされやすいのが、素材の扱いです。
写真や文章を自社で用意するのか、それとも制作会社が撮影や執筆まで行うのか。この点の認識がズレていると、追加費用が発生したり、制作スケジュールが延びてしまったりすることがあります。
あわせて確認しておきたいのが、ドメインやサーバーの管理方法です。
どちらの名義で契約するのか、月々の維持費はいくらかかるのかといった点は、公開後の運用に直接関わってきます。
さらに、公開後のサポート体制についても事前に把握しておくと安心です。
操作マニュアルは用意されるのか、不具合が起きた場合の無償対応期間はどれくらいか、問い合わせ方法はどうなっているのか。こうした点を確認しておくことで、公開後の不安を減らせます。
特に保守管理を依頼する場合は、サーバー管理やシステム・プラグインの更新、バックアップ対応など、どこまでが対応範囲に含まれるのかを契約書などで具体的に決めておくことが欠かせません。
ここを曖昧にしたままにすると、将来的なセキュリティリスクやトラブルにつながる可能性もあります。
ポイント③|追加費用や修正対応の条件を事前に確認しておく
ホームページ制作では、進めていくうちに「やっぱりここを変えたい」「想定と少し違った」と感じる場面が必ず出てきます。
だからこそ、修正や変更が発生した場合のルールを、契約前に整理しておくことが重要です。
特に確認しておきたいのが、修正対応の範囲です。
無料で対応してもらえるのは何回までなのか、それを超えた場合はいくらかかるのか。一般的には2〜3回までを無料とし、それ以降は追加費用が発生するケースが多く見られます。
あわせて、「どのタイミングから別料金になるのか」も確認しておきたいポイントです。
たとえば、デザイン確定後にレイアウトを大きく変更する場合や、当初は想定していなかった機能を追加する場合など、どんなケースが追加費用の対象になるのかを事前に把握しておくと安心です。
また、途中でプロジェクトを中止せざるを得なくなった場合のキャンセル規定も見落とされがちです。
どの工程まで進んだら、どこまでの費用が発生するのかは、必ず事前に確認しておきましょう。
さらに最近では、2024年4月に施行された改正障害者差別解消法(合理的配慮の義務化)の影響もあり、Webアクセシビリティへの対応が求められるケースが増えています。
こうした最新の法的要件への対応が、追加費用になるのか、それとも標準対応に含まれているのか。2026年現在、ここも重要な確認ポイントの一つです。
ホームページ制作会社選びで失敗しないための3つのポイント

日本国内には、多くのホームページ制作会社が存在します。
フリーランスまで含めると選択肢はさらに広がり、「どこに依頼すべきか分からない」と感じる方も少なくありません。
制作会社ごとに、得意分野や対応できる業種、使用するツールや進め方はさまざまです。
そのため、「有名だから」「価格が安いから」といった理由だけで選んでしまうと、後悔につながることもあります。
近年では、単にサイトを作るだけでは成果につながりにくくなっています。
ノーコードツールの活用や、AIを取り入れた運用効率化など、制作側にはより幅広い技術力と提案力が求められるようになってきました。
そこでここからは、制作会社選びで失敗しないために押さえておきたい、3つの具体的な選定ポイントを解説していきます。
ポイント①|制作実績や得意業種・スキルをチェックする
まず確認したいのは、その制作会社が自社と近い業界や似た目的のサイトで実績を持っているかどうかです。
たとえば、BtoB企業の採用サイトを得意とする会社と、ECサイトの売上改善を強みとする会社とでは、持っているノウハウはまったく異なります。
実績の数だけでなく、「どんな分野に強いのか」という視点で見ることが大切です。
また、最近主流になりつつあるノーコードWeb制作ツールを検討している場合は、そのツールに対する理解度も判断材料になります。
たとえば、Studioを使った制作を考えているなら、公式の認定制度を一つの目安にすると安心です。

Studioには、審査を通過した制作会社やフリーランスのみが認定される「Studio.Experts」という制度があります。
ツールの仕様を深く理解しているため、納品後の更新がしやすく、制作期間を短縮できる点もメリットです。
制作実績を見る際は、単にURLが並んでいるかどうかだけで判断しないようにしましょう。
「どんな課題があり、それに対してどんな施策を行い、どう改善されたのか」といった背景まで説明されている事例が公開されているかどうか。
ここまで確認できると、その会社が本当に自社に合うパートナーかどうかが見えやすくなります。
ポイント②|価格だけでなく投資価値を意識する
ホームページ制作費は、単なるコスト(経費)ではなく、将来の利益につなげるための投資として考えることが大切です。
金額の安さだけで判断してしまうと、本来得られるはずだった成果を逃してしまうこともあります。
たとえば、次のような2社の見積もりがあったとします。
- A社(50万円)
既存テンプレートに情報を当てはめるだけの制作。SEO対策は含まれない。
- B社(150万円)
市場調査や競合分析を行い、成約率を高める導線設計に加えて、公開後の改善提案まで含まれる。
一見すると、A社のほうが圧倒的に安く感じられるかもしれません。
しかし、公開後に問い合わせが1件も来なければ、その50万円は成果につながらない出費で終わってしまいます。
一方で、B社のサイトが月に数件の成約を生み出せるのであれば、数か月で投資分を回収できる可能性もあります。
重要なのは、見積金額そのものではなく、「その金額で、どこまでの成果が期待できるのか」という視点です。
価格だけで比較するのではなく、その制作がどんなリターンを生みそうか、どこまで成果にコミットしてくれるのかこうした点を、ぜひ制作会社に問いかけてみてください。
ポイント③|担当者との相性・コミュニケーション体制を確認する
ホームページ制作は、短期間で終わる作業ではありません。
数か月にわたってやり取りを重ねるからこそ、営業担当者やディレクターとの相性は、プロジェクト全体の進みやすさに大きく影響します。
打ち合わせの段階で、次のような点を意識してみると、その会社が信頼できるパートナーかどうかが見えてきます。
以下のポイントで、信頼できる棚当社かどうかを見極めましょう。
- 専門用語を多用せず、分かりやすく説明してくれるか
- こちらの要望を鵜呑みにせず、プロの視点から「できないこと」「やらないほうがいいこと」を提案してくれるか
- レスポンスの速さや、連絡手段(Slack、Chatwork、Zoomなど)が自社のスタイルと合うか
近年はリモートで制作を進めるケースが一般的になりました。だからこそ、顔が見えない分、定例会議の有無や進捗共有の方法が明確な会社を選ぶことが大切です。
ホームページ制作の費用相場と契約時の注意点

ホームページ制作にかかる費用は、依頼先の種類やサイトの規模、求める機能によって幅があります。
数十万円で収まる場合もあれば、数百万円以上になるケースも珍しくありません。
しかし、相場をよく知らないまま発注してしまうと、あとから
- 本当は必要のない費用まで支払っていた
- 価格だけで選んだら、思ったような成果につながらないサイトになっていた
といったリスクを抱えてしまうことがあります。
そこでこの章では、2026年時点の最新動向を踏まえながら、適正な予算の考え方と、契約時に押さえておきたい注意ポイントをわかりやすく整理しました。
ポイント①|相場を把握し、適切な予算を設定する
まずは、自社が作りたいホームページの規模に対して、どれくらいの費用がかかるのか、大まかな相場感をつかんでおくことが大切です。
相場を知らないまま進めてしまうと、安さだけで判断して後悔したり、逆に不要なコストをかけてしまったりする原因になります。
2025年〜2026年時点での一般的な費用相場は、目安として次のようになっています。
| サイト規模 | ページ数の目安 | 制作会社(中小)の相場 | フリーランスの相場 |
| 小規模 | 5〜10ページ | 50万円〜80万円 | 20万円〜50万円 |
| 中規模 | 10〜30ページ | 80万円〜300万円 | 50万円〜100万円 |
| 大規模 | 30ページ以上 | 300万円〜800万円以上 | 100万円〜 |
ここで注意したいのが、「とにかく安く」という理由だけで予算を削りすぎてしまうことです。
費用を抑えすぎると、戦略設計やSEO対策、導線設計といった重要な工程が省かれ、結果として成果につながらないサイトになってしまう可能性が高まります。
大切なのは、ホームページを単なる制作物としてではなく、目的を達成するための投資として捉えること。
その視点を持ったうえで、必要な予算を検討していくことが重要です。
ポイント②|複数社の見積もりを取り、内容まで比較する
ホームページ制作を1社だけの見積もりで決めてしまうのは、少しリスクがあります。
必ず複数社から見積もりを取り、いわゆる「相見積もり」を行うようにしましょう。
その際に気をつけたいのは、合計金額だけを見て判断しないことです。
本当に比較すべきなのは、「その金額に、どこまでの作業が含まれているか」という中身の部分です。
たとえば、次のような項目は特に確認しておきたいポイントです。
まずは、ディレクション費ですが、全体の10〜20%程度が目安とされることが多く、ここが極端に安い場合は、進行管理や品質チェックに十分な時間が割かれていない可能性も考えられます。
次に、デザインやコーディング費です。ページごとの単価がどうなっているか、スマートフォン表示への最適化(レスポンシブ対応)が含まれているかなどは、必ず確認しておきましょう。
また、オプション費用の扱いも重要です。問い合わせフォームや新着情報の更新機能(CMS)、SEOの内部対策などが、基本料金に含まれているのか、それとも別途費用がかかるのか。この違いで、最終的な総額は大きく変わります。
こうして各社の見積もりや提案内容を並べてみることで、自社の要件に対する「標準的な価格帯」や、適正な作業範囲が見えてきます。
価格の高い・安いだけでなく、「内容に対して妥当かどうか」という視点で比較することが大切です。
ポイント③|契約書の記載項目(納期・修正回数・追加費用など)を確認する
契約書は、トラブルが発生した際に自社を守るための重要な判断材料です。
近年は、フリーランス保護新法の施行や取引適正化の流れもあり、発注側にも契約内容の明確化がより強く求められるようになっています。
「口頭では説明を受けていたが、契約書には書かれていなかった」というケースは少なくありません。
契約締結前には、以下の項目がきちんと明記されているかを必ず確認しましょう。
- 検収の定義と期間:納品後、何日以内にチェックを完了させる必要があるか。放置した場合に、自動で納品・検収扱いとなる条項が含まれていないか。
- 修正の範囲と回数:「2回まで無料」など、どこからが追加費用の対象になるのか。その境界線が明確に示されているか。
- 著作権の帰属:制作したデザインやコードの所有権が、代金支払い後に自社へ移転する契約内容になっているか。
- 保守・運用の範囲:サーバー管理やドメイン更新をどちらが担当するのか。月額費用が発生する場合、その金額はいくらか。
これらの点が曖昧なまま契約してしまうと、公開後やトラブル発生時に「想定していなかった負担」が発生しやすくなります。
契約書は形式的に確認するものではなく、実務のルールを定めるものとして、丁寧に目を通すことが大切です。
ホームページ制作後の運用も見据えた進め方

ホームページは「完成したら終わり」ではなく、公開してからが本当のスタートです。
それにもかかわらず、多くの企業が公開後の運用でつまずいてしまっているのが実情です。
株式会社イノーバが2026年1月に発表した調査レポートによると、企業のマーケティング担当者のうち、ホームページの更新頻度が「年1回未満、または不定期」と回答した割合は約6割にのぼっています。(参考:【調査レポート】マーケティング担当者の75.5%が「サイトの運用体制に満足」しかし更新頻度は「年1回未満・不定期」が6割より)
つまり、多くのサイトが「作ったまま」になり、十分に活用されていない状態にあるということです。
こうした放置状態を防ぎ、ホームページを継続的に成果につなげていくためには、公開後の運用まで見据えた設計が欠かせません。
そこでここからは、制作段階のうちに組み込んでおきたい、3つの運用設計のポイントについて解説していきます。
ポイント①|目的(KGI・KPI)を明確にしたうえで企画を立てる
ホームページ制作では、「何となく作る」状態で進めてしまうと、公開後に何を改善すればいいのか分からなくなりがちです。
そのため、制作に入る前の企画段階で、最終的に達成したい目標(KGI)と、そこに至るまでの過程を測る指標(KPI)を明確にしておくことが重要になります。
たとえば、次のような形で整理しておくと判断しやすくなります。
- 年間の問い合わせ件数
- 採用応募数
- ECサイトでの売上額
- 月間アクセス数(セッション数)
- 成約率(CVR)
- 特定ページ(料金表・サービス詳細など)の閲覧数
これらを数値として設定しておくことで、「どのページを強化すべきか」「どこでユーザーが離脱しているのか」といった改善ポイントが見えやすくなります。
また、2026年現在のWebマーケティングでは、生成AIを活用した検索体験の広がりもあり、単純なアクセス数だけでなく、自社が狙うターゲットにきちんと情報が届いているかという“質”の指標が、これまで以上に重視されるようになっています。
こうした目標や指標を、制作会社とあらかじめ共有しておくことで、「どんな導線が必要か」「どのコンテンツを優先すべきか」を逆算した設計が可能になります。
結果として、公開後の運用や改善がスムーズに進めやすくなるのです。
ポイント②|途中で成果を確認し、柔軟に改善できる体制をつくる
ホームページは、公開した直後から完璧に成果が出るものではありません。
実際には、ユーザーの反応を見ながら少しずつ手を入れ、改善を重ねていく運用が現実的です。
そのため、最初から「小さく試し、良くしていく」前提の体制を整えておくことが重要になります。
富士フイルムビジネスイノベーションが2025年3月に実施した調査でも、Webサイト運用に課題を感じている企業の約6割が、「分析結果を具体的な改善施策につなげられていない」と回答しています。(参考:【Webサイト運用の課題、改善の効果は?】8割以上が、Webサイトの運用に「課題」を実感 そのうち約6割が「分析結果を具体的な改善施策に結びつけられない」と回答より)
つまり、アクセス解析などのデータは見ていても、「次に何を直せばいいのか」が分からず、手が止まってしまっている企業が多いということです。
こうした状態を防ぐためには、制作会社とあらかじめ「公開後◯ヶ月間は改善サポートを行う」といった形で、運用フェーズまで含めた関わり方を決めておくのがおすすめです。
たとえば、データをもとに
- 問い合わせボタンの位置を調整する
- キャッチコピーを変更する
- 導線をシンプルに組み直す
といった小さな改善を、スピーディーに繰り返せる体制があるかどうかが、公開後に成果を出せるかどうかを大きく左右します。
ポイント③|更新しやすいCMSと体制を整え、継続的に改善する
ホームページを継続的に活用していくためには、専門知識がなくても社内で更新できる仕組みを用意しておくことが欠かせません。
その中心になるのが、WordPressです。
2026年現在の国内CMSシェアを見ると、WordPressが依然として8割以上の高いシェアを占めています。
一方で、メンテナンスの手軽さや直感的な操作性を理由に、Studioなどのノーコードツールを選ぶ企業も増えています。(参考:w3techs「Distribution of content management systems among websites that use Japanese as content language」より)
CMSを選ぶ際は、ツールそのものだけでなく、「どう運用するか」まで含めて考えることが重要です。
特に次の点は、制作段階で整理しておきたいポイントです。
- 更新頻度が高い箇所:ブログ、事例紹介、お知らせなどは、社内だけで更新が完結できる設計にしておく。
- セキュリティ・保守体制:WordPressなどのオープンソースCMSを利用する場合、システムやプラグインのアップデートを誰が担当するのかを明確にしておく。
さらに、「誰が・いつ・何を更新するのか」という社内の運用フローを、制作時点で決めておくことも重要です。
ここまで設計しておくことで、情報の鮮度を保ちやすくなり、結果として検索エンジンからも評価されやすいサイトへと成長させることができます。
ホームページ制作で失敗しないために、成果につながるサイトをつくろう

ホームページ制作を成功させるうえで最も大切なのは、制作を「一度きりの納品物」として考えないことです。
自社のビジネスを成長させるための継続的なプロジェクトとして捉えられるかどうかで、結果は大きく変わってきます。
冒頭で触れた「約9割が失敗を経験している」という事実も、見方を変えればチャンスです。
正しい手順とチェックポイントを押さえて進めることができれば、同じ失敗を避け、競合他社との差を着実に広げていくことができます。
失敗を回避し、確実な成果につなげるためのまとめ
ここまで解説してきたポイントを、改めて整理します。
- 失敗の要因を知る:価格の安さや見た目のデザインだけに惑わされず、集客や運用といった「本来の目的」を見失わないこと。
- 事前準備を徹底する:曖昧な発注はトラブルの元です。見積書の内訳や、契約書の条項(修正回数・著作権の帰属など)を細部まで確認しましょう。
- 最適なパートナーを選ぶ:
制作実績の多さだけでなく、Studioエキスパートのような認定制度や、自社の課題に真摯に向き合ってくれる担当者の提案力を重視することが重要です。
- 運用を前提に設計する:2026年のWeb活用では、公開後のデータ分析と改善が欠かせません。WordPressやStudioなど、社内で更新しやすいCMSを選び、KPIを追い続けられる体制を整えましょう。
ホームページは、企業の第一印象を担い、問い合わせや商談のきっかけを生み出す重要な役割を持っています。
制度やツールも選択肢の一つとして検討しつつ、自社の状況を理解してくれるパートナーと進めることで、無理のない形で成果につながるサイトを目指しましょう。
その積み重ねが、数年後の大きなビジネス成果へとつながっていくはずです。

